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路傍の晶

第17回

河野カイロプラクティック  院長 河野さん

* 院長の河野さん *
* 院長の河野さん *
下赤塚で開業した当初、河野さんはある悶々とした思いに駆られていた。「“カイロプラクティック”とは何か」自分で掲げた看板を見上げ、胸に問うた。ずれた骨を矯正することが仕事の軸ではある。だが整骨や接骨、整体、鍼灸、マッサージと、身体を補正するさまざまな業種が台頭するなかで、自身の営む仕事の独自性が見出せなかった。実際、看板には、カイロプラクティックの隣に「整骨院」という名称も付していた。むしろカイロの冠を外そうかと考えたぐらいである。「これまでずっとカイロ専門の治療に従事してきたのに……」忸怩たる思いは募る一方だった。

 河野さんがカイロプラクティックと出合ったのは、いまから20年以上前に遡る。中学入学と同時に始めたトランポリンで全日本ジュニア大会優勝を果たすなど頭角を現していた彼は、その後も高校、大学と競技を続けていた。
* 下赤塚にある治療院 *
* 下赤塚にある治療院 *
日体大4年のときだ。ちょうど東日本インカレ大会を半月ほど後に控え練習に励む最中に、彼は首から落下し、痛みとともに首が動かなくなってしまう。すぐさま病院に運ばれ入院したものの、安静にする以外、特別な治療法はない。何の改善も見られぬまま、しかし大会だけは近づいてくる。焦りを感じていたそのときに、知り合いを通じて知ったのがカイロプラクティックだった。「施術してもらった翌朝、起きたときには痛みがなくなり、普段の状態に戻っていました。初めての経験。それからですね、この仕事をやっていこうと決めたのは」日常を取り戻した河野さんは直後の大会で優勝を果たした。
* 治療スペース *
* 治療スペース *
大学を卒業すると、競技を続ける傍らカイロの専門学校に通い、また件の治療を施してくれた先生の下で働いた。26歳で迎えた世界大会を最後に選手生活から引退すると、青山のカイロセンターで12年間、仕事に従事した。独立したのは30代も終る頃だった。

 カイロプラクティックとは何か。構えた自身の城で考え続けていたとき、参加したセミナーで河野さんはきっかけを掴む。それが「アクティベータ」と呼ばれる、安全性とともに最大限の治療効果をもたらす身体の矯正器具だった。

 「アクティベータを学びながら、そのセミナーに参加する志の高い先生たちから治療の考え方のヒントを頂いたんです。つまり、『痛みは結果であって原因ではない』ということ。骨がずれているのも『結果』です。治すためにはまず原因を特定し、そこに最適な治療を施す必要がある。神経のバランスが崩れた結果として骨がずれたり痛みが生じるわけですから、その原因を探って神経の働きがよくなるように補正する。アトピーや花粉症も同じ考え方で治療します。ですから私の場合、カイロプラクティックは根本治療のためのとっかかり、いわば道具に過ぎません」

 治癒力を妨げるのは感情の部分が多いと、河野さんはいう。すなわち彼の治療は患者に原因をイメージさせ、身体の反応に応じてカイロの技術によって刺激を与え、治していく。カウンセラーではない。会話も必要ない。ただひたすら、身体の声に耳を澄ます。長い年月を経て根本治療に辿り着いたある日、河野さんは看板から「整骨院」の冠を外した。

  取材・文◎隈元大吾
http://www.scn-net.ne.jp/~jps/ 

河野カイロプラクティック
住所:
〒175-0092
板橋区赤塚1-5-12-102
アクセス:
東武東上線下赤塚駅 北口より徒歩4分
東京メトロ赤塚駅 3番出口より徒歩5分
電話番号:
03-5383-1170
診療時間:
平日 8:30~13:00 15:00~20:00
土曜 8:30~13:00 15:00~18:00
定休日:
日曜・祝日